アルミは本当に強い?
強くて丈夫なアルミ素材。
私たちの身の回りでもたくさんのアルミ製品を目にすることができますが、果たして本当にアルミは「強くて丈夫」といえるのでしょうか?たとえば、一円玉などはとても身近なアルミのひとつですが、キズや凹みがあったり、色が変色してしまっているものなども多いですよね。
これはなぜでしょうか?
アルミニウムは丈夫、と言われますが、実は丈夫であるためにはアルミの表面に施されるさまざまな表面加工が必要だといいます。
もともとアルミニウムの表面には自然酸化皮膜」と呼ばれる皮膜があるため、他の金属にくらべれば耐食性が高いなどと言われますが、皮膜も時間とともに次第に薄れていきます。
そのため、アルミニウムといえども素材そのままの状態では案外傷つきやすく、デリケートな存在といえるのです。
アルミの表面処理
アルミ製品の耐久性を高めるためには、表面をあえて酸化させたり、複合皮膜といってさらに皮膜をつけてあげるという方法や、塗装を施すといったアルミ加工が行なわれます。
アルマイト加工であるとか、塗装、ヘアライン研磨といった表面処理が一般的です。
アルマイト加工というのはアルミを特殊な電解液につけることでアルマイトといういわば皮膜のようなものを発生させるというもので、アルミそのものの表面が酸化することによって腐食を防ぎ、電気が通りにくくなるという特性があります。
塗装はもっともイメージしやすい表面加工のひとつで、飲料缶などをイメージしてもらうとわかりやすいと思います。飲料缶は、アルミ缶の表面にカラフルな樹脂コーティングがなされていますね。
これはパッケージとしての見た目をよくするというだけでなく、飲料による缶の腐食を防ぐためにも必要な処理であるわけです。
ヘアライン研磨というのは聞きなれないかもしれませんが、アルミの表面に旋盤を使ってごく細い筋のような加工を施す方法です。
表面がつや消し状態になるこのアルミ加工は家電製品などで見かけることがあるかもしれません。